キャンプはスカウティングには大事なもので、少年たちには魅力があり、少年を健康にするだけではなく、独立心と創意を養うよい機会なのです。
 
一度もキャンプ生活をされたことのないご両親のなかには、キャンプが自分の子供にとって、あまりにも荒々しく危険なものが多いのではなかろうかと、心配の目で見る方があります。
 
けれども息子さんたちが、見るからに健康と幸福感にあふれ、道徳的にも男らしい差を増し、友情を深めてかえってきたのを見られれば、このような野外活動のもたらすよさに感謝しないではいられない事でしょう。
 
ですから私は、行く機会があったらいつでもキャンプに出かけるように、息子さんにすすめてくださることを、心から願っています。
 
ボーイスカウト創始者 ロバート・ベーデン-パウエル 著
「スカウティング・フォア・ボーイズ」より
 
 

ベーデン・パウエルの最後のメッセージ

 
スカウト諸君
 
「ピーターパン」の劇を見たことのある人なら、海賊の首領が死ぬ時には、最後の演説をするひまはないにちがいないと思って、あらかじめその演説をするのを、覚えているであろう。私もそれと同じで、今すぐ死ぬわけではないが、その日は近いと思うので、君たちに別れの言葉を送りたい。これは、君たちへの私の最後の言葉になるのだから、よくかみしめて、呼んでくれたまえ。
 
私は、非常に幸せな生涯を送った。それから、君たち一人一人にも、同じように幸福な人生を、歩んでもらいたいと願っている。神は、私たちを、幸福に暮らし楽しむようにと、このすばらしい世界に送ってくださったのだと、私は信じている。金持ちになっても、社会的に成功しても、わがままできても、それによって幸福にはなれない。幸福への第一歩は、少年のうちに、健康で強いからだを作っておくことである。そうしておけば大人になった時、世の中の役に立つ人になって、人生を楽しむことができる。
 
自然研究をすると、神が君たちのために、この世界を、美しいものやすばらしいものに満ち満ちた、楽しいところにおつくりになったことが、よくわかる。現在与えられているものに満足し、それを出来るだけ生かしたまえ。ものごとを悲観的に見ないで、なにごとにも希望をもってあたりたまえ。しかし、幸福を得るほんとうの道は、ほかの人に幸福を分け与えることにある。この世の中を、君が受け継いだ時よりも、少しでもよくするように努力し、あとの人に残すことができたなら、死ぬ時が来ても、とにかく自分は一生を無駄に過ごさず、最善をつくしたのだと満足感をもって、幸福に死ぬことが出来る。幸福に生き幸福に死ぬために、この考えにしたがって、「そなえよつねに」を忘れず、大人になっても、いつもスカウトにちかいとおきてを、堅く守りたまえ。神よ、それをしようとする君たちを、お守り下さい。
 
君たちの友
ベーデン-パウエル・オブ・ギルウェル
  
(これは1941年1月8日にベーデン-パウエルがなくなった後、彼の書きものの中から発見された)
 
ボーイスカウト創始者 ロバート・ベーデン-パウエル 著
「スカウティング・フォア・ボーイズ」より

原文はこちらです - Baden Powell Web Site内より